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西検対策|6級〜1級の難易度と級別勉強法、DELEとの違い

公開 /執筆 マリアナ(スペイン語・日本語バイリンガル講師)

「西検を受けてみたいけれど、何級から受ければいいのか分からない」「DELEとどちらを受けるべきか迷っている」。スペイン語の資格を考え始めた人から、よく出てくる悩みです。

西検(スペイン語技能検定)は、公益財団法人日本スペイン協会が実施する検定で、6級から1級までの6段階があります。問題の指示が日本語で書かれ、和訳や日本語に合わせてスペイン語を選ぶ問題があるなど、日本語とスペイン語を行き来する力が問われるのが特徴です。

この記事では、西検の級の目安と難易度、2026年度の日程と受験料、級別の出題傾向と勉強法、二次試験(面接)の対策、DELEとの違いを順番に解説します。書いているのは、日本語話者にスペイン語を、スペイン語話者に日本語を教えている現役のオンラインスペイン語講師です。試験の情報は、日本スペイン協会の公式サイトで2026年10月22日に確認した内容に基づいています。

結論:西検対策は「公式サンプルで形式を知る」→「級の文法範囲を固める」

先に結論をまとめます。

  • 最初に公式サイトのサンプル問題を解く。 日本スペイン協会は、各級の試験形式のサンプル(PDF)とリスニング音声を公開しています。市販の対策書より先に、まずこれで今の形式を確認しましょう。
  • 受ける級は「文法範囲」で決める。 西検は級ごとに、どの文法まで出るかが公式に示されています。今の自分がどこまで学んだかで、受ける級を選ぶのが確実です。
  • 3〜6級は筆記のみ、2級・1級は二次試験(面接)あり。 2級以上を目指す人は、早めに「スペイン語で意見を言う」練習を始めてください。
  • DELEと迷ったら、使い道で選ぶ。 日本国内での評価や、日本語との翻訳力を示したいなら西検、海外留学や「話す・書く」力を試験で証明したいならDELEが向いています。

西検とは?6級〜1級の難易度とCEFRの目安

西検は1973年に始まり、文部科学省の後援を受けている検定です。公式サイトでは、留学時の語学力証明、大学の単位認定、官公庁や企業の採用試験などに活用されていると紹介されています。

各級の目安を、公式サイトの記載(2026年10月時点)をもとに整理しました。

級学習時間の目安語彙数の目安CEFRとの対応一次試験の時間二次試験(面接)
6級授業約50時間以上約500語Pre A140分(リスニング約5分)なし
5級授業約100時間以上約1,000語A140分(リスニング約5分)なし
4級授業約200時間以上約1,500語A250分(リスニング約10分)なし
3級授業約300時間以上約2,500語B170分(リスニング約10分)なし
2級4年以上の継続学習+スペイン語圏で1年程度の留学経験、またはそれに相当する力約3,500語B2〜C170分(リスニング約10分)あり(約15分)
1級5年以上の継続学習、または翻訳・通訳などの経験—C1〜C280分(リスニング約15分)あり(約15分)

※CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)は、外国語の到達度を示す国際的な物差しです。上の対応は、日本スペイン協会が「おおよその目安」として示しているものです。

一次試験は、どの級も筆記(リスニングを含む)で、解答はマークシート式です。合格の目安は、1級が満点の80%程度、2〜6級が満点の70%程度とされています。

難易度の感覚をつかむには、公式の補足が参考になります。4級は「大学の第二外国語として週2回・2年間の学習に相当」し、留学の選考で目安になるレベル、3級は「大学のスペイン語専門課程での3年間の学習に相当」し、留学前に達していることが望ましいレベルとされています。留学を考えている人は、スペイン留学の費用の記事とあわせて、出発前の目標にするとよいでしょう。

2026年度の日程・受験料・申込方法(2026年10月時点)

試験日程

一次試験二次試験
夏季2026年6月28日(日):2〜6級2026年8月2日(日):2級
冬季2026年12月13日(日):1〜6級2027年1月24日(日):1級・2級

2026年度は、1級は冬季のみの実施です。冬季の結果通知書は、3〜6級と1・2級の一次試験が2027年1月14日、1・2級の二次試験が2月4日に発送予定とされています。

2026年度冬季の通常の申込受付は、すでに終了しています。公式サイトでは、空席がある会場・級に限り、2026年10月23日(金)12時〜10月27日(火)16時59分に追加申込を受け付けると告知されています(クレジットカード決済のみ)。対象の会場・級は、公式サイトの「現在の受付状況」で確認してください。

2027年度の日程は、2026年10月22日時点では公式サイトに掲載されていませんでした。参考までに、2026年度は夏季の申込期間が4月1日〜5月13日、冬季が9月16日〜10月20日で、期間中でも会場・級ごとに定員に達すると受付が終了します。受けたい回が決まったら、申込開始日を早めに確認しておきましょう。

受験料(税込)

級6級5級4級3級2級1級
検定料5,830円6,930円8,250円11,000円13,970円16,720円

※2026年度の金額です。決済手数料は別途かかります。

申込方法と会場

  • 申込はオンラインのみで、決済はクレジットカードかコンビニ決済です
  • 過去の受験結果に関係なく、どの級からでも申し込めます
  • 時間割上可能なら、複数の級を受けられます(級ごとに別々に申込)。2026年度の時間割では、3〜6級の試験時間は重なっていません
  • 一次試験は全国16会場(北海道、青森、仙台、東京、新潟、金沢、山梨、静岡、名古屋、大阪、神戸、広島、高松、福岡、宮崎、沖縄)。ただし1級・2級は東京・名古屋・大阪のみ、3級は青森・宮崎では実施されません
  • 申込後のキャンセル・返金・振替はできません

級別の出題傾向と勉強法

ここからは、公式サンプル(2024年度版)の「出題内容と意図」をもとに、級ごとの傾向と、講師から見たつまずきやすいポイントを解説します。

6級:ser・estar・hay の使い分けが最初の山

6級では、つづりと発音の関係、身近な語彙、冠詞や形容詞の使い方、ser・estar・haber(hay)の使い分け、疑問詞を使った会話などが問われます。

初心者が最もつまずきやすいのが、「〜がある・いる」を表す hay と estar の区別です。

  • Hay un libro en la mesa.(机の上に本が1冊あります。)※初めて話題に出る「ある物」
  • El libro está en la mesa.(その本は机の上にあります。)※特定の物の「場所」

もう一つは性数一致(名詞に合わせて形容詞の男性・女性、単数・複数をそろえること)です。Las niñas están cansadas.(女の子たちは疲れています。)のように、主語が女性・複数なら形容詞も cansadas になります。入門書の練習問題で、ここを繰り返し確認しておきましょう。

5級:点過去と線過去、gustar 型の動詞

5級の文法範囲には、現在形の不規則動詞、点過去、線過去、現在完了、再帰動詞、gustar 型の動詞が含まれます。100語程度の文章の空所補充も出題されます。

講師として特に注意してほしいのは、gustar の形を「好きな物」に合わせることです。

  • Me gusta el café.(私はコーヒーが好きです。)
  • Me gustan los gatos.(私は猫が好きです。)※好きな物が複数なので gustan

過去形は、「完了した出来事」は点過去、「背景・習慣」は線過去、と役割で覚えます。

  • Ayer me levanté a las siete.(昨日は7時に起きました。)※点過去
  • Cuando era pequeña, vivía en Osaka.(小さいころ、大阪に住んでいました。)※線過去

5級は、入門書を1冊終えた人が最初の目標にしやすい級です。

4級:接続法現在と大きな数字

4級になると、接続法現在、命令、未来、過去未来、受身などが文法範囲に入り、100〜150語程度の文章の内容一致、150〜200語程度のリスニングも出題されます。

ここで多くの人が止まるのが接続法です。「〜とは思わない」「〜してほしい」のように、不確かさや願望を表す文の後ろで動詞の形が変わります。

  • No creo que llueva mañana.(明日雨が降るとは思いません。)
  • Cuando llegues a casa, llámame.(家に着いたら電話してね。)※未来のことを cuando で言うときは接続法

意外な落とし穴が数字です。4級は「数字100万まで」が範囲で、setecientos cincuenta mil(75万)のような大きな数や、doscientas personas(200人)のように女性名詞に合わせて形が変わる百の位は、聞いても読んでも間違えやすいところです。毎日少しずつ、数字を声に出して読む練習をしておきましょう。

3級:接続法過去と手紙の定型表現

3級では、接続法過去・過去完了、過去未来完了まで文法範囲が広がります。100〜120語程度の依頼文や案内状、200〜250語程度の記事を読む問題もあります。

接続法過去は、**主節の時制に合わせる「時制の一致」**とセットで練習します。

  • Mi madre me pidió que comprara pan.(母は私にパンを買ってくるよう頼みました。)
  • Si hubiera estudiado más, habría aprobado el examen.(もっと勉強していたら、試験に合格していたでしょう。)

手紙・メールの問題では、フォーマルな定型表現を知っているかが問われます。

  • Les escribo para solicitar información sobre el curso.(講座について情報をいただきたく、ご連絡しております。)
  • Quedo a la espera de su respuesta.(ご返信をお待ちしております。)
  • Atentamente,(敬具)

3級からは、入門書だけでは文法の説明が足りなくなります。調べるための文法書を1冊手元に置くのがおすすめです。

2級・1級:翻訳力と要約力が中心になる

2級の一次試験では、250〜300語程度の文章で時制や法を選ぶ問題、言い換え、日本語の依頼文や掲示文に合うスペイン語を選ぶ問題、ニュースやインタビューのリスニングなどが出題されます。1級ではさらに、スペイン語と日本語の双方向の翻訳力を問う問題や、段落の並べ替えなどが加わります。

この段階で差がつくのは、日本語の「言いたいこと」をスペイン語の型に置き換える力です。たとえば掲示文なら、日本語をそのまま訳すのではなく、Prohibido fumar en todo el recinto.(敷地内全面禁煙)や Se ruega silencio.(お静かに願います。)のような、スペイン語の掲示らしい形を知っているかが問われます。

作文力を鍛えるなら、文型ごとに表現の選び方を練習できる本が向いています。

二次試験(面接)対策:2級・1級の受験者向け

2級・1級の二次試験は、一次試験の合格者だけが別の日に受けます。公式サンプルによると、流れは次のとおりです。

2級1級
課題文スペイン語の文章2種類(各150〜200語程度)から1つ選ぶ日本語の文章2種類(各250〜400字程度)から1つ選ぶ
準備時間約7分(メモ可、辞書・スマートフォンは不可)約7分(同左)
質疑応答約8分、試験官とスペイン語で約8分、内容をスペイン語で説明し、意見を述べる
評価項目文法・語彙・構成力・表現力/説得力・発音/イントネーション同左

準備時間は約7分しかないので、「要点を1文で言う→自分の意見→理由2つ」というメモの型を先に決めておきましょう。そのまま使える表現も用意しておくと、本番で言葉が出やすくなります。

  • El texto trata de los problemas del medio ambiente.(この文章は環境問題について書かれています。)
  • Desde mi punto de vista, es necesario cambiar nuestros hábitos.(私の考えでは、私たちの習慣を変える必要があります。)
  • Por un lado…, por otro lado…(一方では〜、他方では〜)
  • Estoy de acuerdo en parte, pero…(部分的には賛成ですが、〜)
  • ¿Podría repetir la pregunta, por favor?(質問をもう一度お願いできますか?)
  • Déjeme pensar un momento.(少し考えさせてください。)

面接は1人で練習しにくいので、講師に模擬面接をしてもらうのが効率的です。詳しくは後半の「オンラインレッスンの活用」で説明します。

西検とDELEの違い:どちらを受けるべき?

スペイン語の資格としてよく比べられるのが、インスティトゥト・セルバンテスが実施するDELEです。主な違いを整理します。

西検DELE
実施団体日本スペイン協会(文部科学省後援)インスティトゥト・セルバンテス(スペイン教育省の名義で発行)
レベル6級〜1級の6段階A1〜C2の6段階
試験の言語指示文は日本語。和訳・西訳など日本語との行き来を問う問題がある指示文も含めてスペイン語
試験の形式筆記(マークシート・リスニング含む)。面接は2級・1級の二次試験のみ読解・聴解・作文・会話の4パート
日程年2回(夏季・冬季)、全国16会場(2026年度)年に数回。実施レベルは会場ごとに異なる

DELEの試験構成や合格基準は、DELE A2対策とDELE B1・B2の勉強法で詳しく解説しています。

西検が向いている人

  • 日本国内の大学・企業・就職活動でスペイン語力を示したい人
  • 日本語とスペイン語の翻訳力を伸ばしたい、示したい人(1級合格者は全国通訳案内士試験の外国語筆記試験が免除されます)
  • 6級から段階的に、小さな目標を積み重ねたい人

DELEが向いている人

  • スペインや中南米への留学・就職など、海外でスペイン語力を証明したい人
  • 低いレベルから「書く・話す」力も含めて試験で測りたい人
  • 一度取ったら長く使える資格がほしい人(DELEには有効期限がありません)

もちろん、両方受けるのも一つの方法です。たとえば西検で文法と読解を固め、DELEで会話と作文を伸ばす、という組み合わせは、勉強の内容が補い合う関係になります。

西検対策に使える教材

現在の西検は、どの級も解答がマークシート式です。一方で、市販の西検対策書には刊行から年数がたったものも多く、解答方式や大問の構成が今の試験と違う可能性があります。購入する前に出版年を確認し、まずは公式サンプルで今の形式をつかんでおきましょう。

そのうえで、文法の土台を作る教材を級に合わせて選びます。

目指す級おすすめの教材使い方
6級・5級ゼロからスタートスペイン語 文法入門編発音から点過去・線過去まで、1冊で文法の基礎を通す
6級・5級しっかり身につくスペイン語トレーニングブック練習問題で、性数一致や活用を「できる」に変える
4級・3級スペイン語文法ハンドブック接続法や時制の一致など、分からない文法を引いて確認する
3級・2級スペイン語動詞の決め技基本動詞を使った自然な言い回しを増やす
2級・1級スペイン語作文の方法 表現編和文西訳・掲示文の問題に向けて、場面に合う表現を選ぶ練習
2級・1級中級スペイン文法ハンドブックで解決しない細かい文法を掘り下げる

5級までは単語力も大切です。DELE向けの本ですが、合格!A1/A2レベルDELE試験対策スペイン語基本単語1200+αで入門レベルの語彙を整理する方法もあります。各書籍の詳しい特徴はスペイン語の参考書おすすめにまとめています。

オンラインレッスンの活用:模擬面接と「なぜ間違えたか」の確認

西検はマークシート式なので、筆記は自分で答え合わせができます。ただ、「なぜその答えになるのか」が分からないまま進むと、同じ文法で何度も間違えます。特に接続法や時制の一致は、講師に1回説明してもらうだけで理解が進みやすいところです。

italkiのように1回単位で予約できるサービスなら、苦手な単元だけを集中して見てもらえます。講師に頼むときは、次のように具体的に伝えましょう。

  • 「西検4級を受けます。接続法現在の使い分けを、例文を使って練習したいです」
  • 「西検2級の二次試験の練習をしたいです。スペイン語の短い記事を読んで、7分準備したあと、8分間質問してください」

西検は日本の検定なので、スペイン語圏出身の講師は形式を知らないことがあります。レッスンの最初に、試験の流れを自分で説明できるようにしておくとスムーズです。なお、公式サンプルには無断使用・複製などを禁じる注記があるため、講師とはサンプルそのものを共有するのではなく、ニュース記事など別の文章を練習に使いましょう。

講師の選び方はitalkiのスペイン語講師の選び方で、ほかのサービスとの比較はスペイン語オンラインレッスンの比較で解説しています。

まとめ:まずは公式サンプルを1回、時間を計って解こう

西検対策のポイントをまとめます。

  • 6級〜1級の6段階で、CEFRの目安はPre A1〜C2。合格の目安は2〜6級が70%程度、1級が80%程度
  • 2026年度冬季の一次試験は12月13日(日)。2027年度の日程は公式サイトで発表を待つ
  • 受ける級は、公式の「文法範囲」と自分の学習状況を照らして決める
  • 2級・1級は二次試験(面接)があるので、意見を述べる練習を早めに始める
  • DELEとは、使い道(国内で示すか、海外で示すか)で選ぶ

最初の一歩として、日本スペイン協会の公式サイトから受けたい級のサンプル問題とリスニング音声を開き、本番と同じ時間で解いてみてください。7割に届くかどうかで、その級を目指すか、1つ下の級から始めるかを判断できます。基礎から学び直したい人は、スペイン語の独学ロードマップで今の段階を確認するところから始めましょう。

主な出典(2026年10月22日確認)

この記事を書いた人:マリアナ

スペイン語・日本語バイリンガル講師

ペルー出身、東京在住26年。日本語話者にスペイン語を、スペイン語話者に日本語を教えています。大学在学中には、ペルーへ留学する学生にスペイン語を指導しました。「教える側」から見た、伸びる人の共通点と遠回りしない学び方を発信しています。

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