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DELE B1対策・B2勉強法|試験構成と合格基準を現役講師が解説

公開 /執筆 マリアナ(スペイン語・日本語バイリンガル講師)

「DELE B1を受けたいけれど、何から対策すればいいのか分からない」「B2の作文と口頭試験で何を見られているのか知りたい」。DELEの中級レベルを目指す人がよく抱える悩みです。

結論から言うと、DELE B1・B2の対策でまず押さえるべきなのは、4つの試験が2つのグループに分かれ、グループごとに合格点があるという採点の仕組みです。読解が得意でも、作文が弱ければ同じグループで不合格になることがあります。対策の優先順位は、この仕組みから逆算して決めるのが効率的です。

この記事では、DELE B1・B2の試験構成、合格基準、B1とB2の差、技能別の対策、模試の回し方、作文と口頭試験の採点で見られる点を整理しました。試験の内容は、インスティトゥト・セルバンテス(DELEを運営するスペインの公的機関)が公開している試験ガイドと試験仕様書に基づいています。

書いているのは、日本語話者にスペイン語を、スペイン語話者に日本語を教えている現役のオンライン講師です。

DELE B1・B2とはどんな試験か

DELE(Diplomas de Español como Lengua Extranjera)は、スペイン教育省の名義でインスティトゥト・セルバンテスが発行する、外国語としてのスペイン語の公式な資格です。レベルはA1からC2までの6段階で、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)という国際的な語学力の物差しに対応しています。

  • B1(Umbral):日常生活や仕事・旅行などの身近な場面で、基本的なやりとりができるレベル。自分の経験や意見を簡単な理由とともに伝えられる段階です。
  • B2(Avanzado):幅広い話題について、ある程度の流暢さで意見を述べ、議論できるレベル。賛否を比較したり、根拠を示して主張したりする力が求められます。

DELEの資格には有効期限がありません。一度合格すれば、その証明はずっと使えます。

また、公式ガイドでは、受験者が書いたり話したりするスペイン語について、一貫して使われていれば、スペインでも中南米でも、教養ある話者に広く支持されているスペイン語の規範はすべて有効とされています。中南米のスペイン語で学んできた人も、そのままの言葉づかいで受験して問題ありません。

試験構成:4つの試験と時間・タスク数

DELE B1・B2は、どちらも次の4つの試験で構成されています。

試験B1B2
読解(Comprensión de lectura)70分・5タスク・30問70分・4タスク・36問
聴解(Comprensión auditiva)40分・5タスク・30問40分・5タスク・30問
作文(Expresión e interacción escritas)60分・2タスク80分・2タスク
口頭(Expresión e interacción orales)15分(準備15分)・4タスク20分(準備20分)・3タスク

読解・聴解・作文は同じ日に行われ、口頭試験は筆記試験と別の日になることがあります。

作文のタスク

B1B2
タスク1短い文章(メッセージなど)を読み、それに答える手紙・メール・掲示板への投稿などを書く(100〜120語)音声(ニュースや広告など)を聞いてメモを取り、その内容と意見を盛り込んだ手紙・メールを書く(150〜180語)
タスク22つのテーマから1つを選び、経験や意見を含む作文・日記・伝記などを書く(130〜150語)2つの選択肢から1つを選び、グラフを説明する記事、またはブログ記事・レビューを書く(150〜180語)

B2のタスク1は、聞いた内容をもとに書くという点が特徴です。作文の試験ですが、聴解力も同時に求められます。

口頭試験のタスク

B1B2
タスク12つのテーマから1つを選び、準備したうえで短いプレゼンテーション(2〜3分)問題となる状況と複数の解決案を読み、長所・短所を評価して話し、試験官と会話する(6〜7分)
タスク2タスク1のテーマについて試験官と会話(3〜4分)写真と状況説明をもとに、想像した場面を描写して会話する(5〜6分)
タスク3写真を描写し、質問に答える(2〜3分)アンケート結果などの資料をもとに、準備なしで会話する(3〜4分)
タスク4写真の場面をもとに、日常的な場面のロールプレイ(2〜3分)—

口頭試験の部屋には試験官が2人います。1人は会話の相手をする面接官、もう1人は会話に加わらず採点に専念する採点官です。試験の最初には、緊張をほぐすための簡単な質問があります。

※試験形式は改定されることがあります。受験前に、インスティトゥト・セルバンテスの公式サイトで最新の試験ガイドを確認してください。

合格基準と採点の仕組み

2つのグループで、それぞれ30点以上が必要

DELE B1・B2は100点満点で、4つの試験がそれぞれ25点です。採点上は次の2つのグループに分けられます。

  • グループ1:読解(25点)+作文(25点)=50点
  • グループ2:聴解(25点)+口頭(25点)=50点

合格(Apto)するには、グループ1・グループ2のそれぞれで30点以上が必要です。片方のグループが高得点でも、もう片方が30点に届かなければ不合格(No apto)になります。

読解・聴解は正答数を25点に換算

読解と聴解は、1問1点で採点され、間違えても減点はありません。正答数は25点満点に換算されます。公式ガイドの例では、30問中20問正解の場合、20 × 25 ÷ 30 = 16.67点になります。

作文・口頭は0〜3の段階で評価して25点に換算

作文と口頭は、訓練を受けた試験官が評価基準(評価スケール)に沿って0〜3の段階で評価します。評価は、**全体的な印象を見る「ホリスティック評価」(40%)**と、**項目ごとに見る「分析的評価」(60%)**の組み合わせです。

この0〜3の段階では、2がそのレベル(B1またはB2)の達成に相当します。3はそのレベルを十分に上回る出来、1はレベルに届いていない出来です。最終的な点数は25点満点に換算され、たとえば2点なら 2 × 25 ÷ 3 = 16.67点になります。

合格ラインから逆算すると

仮に作文で「レベル達成」に相当する16.67点を取れたとすると、グループ1で30点に届くには、読解で残り約13.33点が必要です。

  • B1:読解30問中16問正解で13.33点
  • B2:読解36問中20問正解で約13.89点(19問では約13.19点で届きません)

つまり、作文でレベル相当の評価が取れれば、読解は半分強の正答で合格ラインに届く計算です。逆に、作文の評価が低いと、読解でかなり高い正答率が必要になります。これが、作文と口頭の対策を後回しにしてはいけない理由です。

結果の通知

公式ガイドでは、結果は試験日からおおむね3か月で、インスティトゥト・セルバンテスのDELEのサイトで確認できるとされています。

受験料・日程・申込方法

受験料と試験日は、年度や受験会場によって変わる情報です。DELEは年に数回の試験日が設定されていますが、どの回でどのレベルを実施するかは会場ごとに異なります。日本国内では、セルバンテス文化センター東京などが試験会場になっています。

日本国内の試験日・申込締切・受験料・会場は、DELEの日程・受験料・難易度のまとめに整理しています。申込締切は試験日のかなり前に設定されるのが一般的なので、受験を考えている人は早めに次の公式サイトでも最新情報を確認してください。

B1とB2の差はどこにあるか

B1とB2は数字の上では1段階の差ですが、求められる力にははっきりした違いがあります。教える側から見て、特に大きいのは次の3点です。

1. 「自分のこと」から「社会的な話題」へ

B1の作文や口頭試験では、自分の経験・好み・希望を話すタスクが中心です。一方、B2では、環境・教育・仕事・メディアなどの社会的な話題について意見を述べるタスクが増えます。

自分の話であれば知っている単語でなんとかなりますが、社会的な話題では、その分野の語彙と、意見を組み立てる表現が必要になります。

2. 「伝える」から「論じる」へ

B1では、自分の考えを分かりやすく伝えられれば十分です。B2では、複数の選択肢を比べて評価し、根拠を示して主張することが求められます。口頭試験のタスク1で、解決案の長所と短所を評価するのがその代表です。

このため、B2では por un lado… por otro lado…(一方では…他方では…)、sin embargo(しかしながら)、en mi opinión(私の意見では)のような、論理をつなぐ表現を自然に使えるかどうかが評価に直結します。

3. 処理する量とスピード

B2の読解は、問題数がB1の30問から36問に増え、1つの文章も長くなります。作文も、B1の2タスク合計230〜270語に対し、B2は300〜360語です。しかもB2のタスク1は、音声を聞いてメモを取ってから書く必要があります。

知識の差だけでなく、限られた時間で多くの情報を処理する力の差も大きいのがB2です。

どちらを受けるべきか

迷ったときの目安は次のとおりです。

  • B1がおすすめの人:接続法の現在形を学び終えたばかりの人、自分の経験は話せるが社会的な話題で意見を言うのは難しい人
  • B2がおすすめの人:B1レベルの模試で安定して合格点を取れる人、ニュース記事を辞書を引きながらでも読める人、留学や仕事でB2が必要な人

留学の条件としてDELEのレベルを求められることもあります。留学を考えている人は、スペイン留学の費用の記事もあわせて参考にしてください。

技能別の対策:読解・聴解・作文・口頭

読解:時間配分を決めてから解く

B1・B2とも、読解は70分です。対策の基本は、タスクごとの時間配分を決めておくことです。1つのタスクで悩みすぎると、最後のタスクに手が回らなくなります。

  • 設問を先に読み、何を探すかを決めてから本文を読む
  • 迷った問題は印をつけて先に進み、最後に戻る
  • 間違えても減点はないので、空欄は残さない

B1の最後のタスク、B2の最後のタスクは、文章の空欄に合う語句を選ぶ問題です。ここは文法と語彙の知識が直接問われるので、模試で間違えた問題は、文法書で理由を確認しておきましょう。

聴解:音声の「前」に設問を読む

聴解は40分で、音声は試験の進行に合わせて流れます。音声が流れる前の時間に設問と選択肢を読んでおくことが大切なコツです。何を聞き取ればいいかが分かっていれば、聞くべき部分に集中できます。

普段の練習では、模試の音声だけでなく、ニュースやインタビューなどさまざまな国のスペイン語を聞いておくと安心です。DELEの音声素材には、さまざまな地域のスペイン語が使われることがあります。

作文:型を作り、語数を守る

作文は、出題形式がある程度決まっているので、型を準備しておける技能です。

  • 手紙・メールの書き出しと結びの表現を、フォーマル・インフォーマルの両方で用意しておく
  • 意見を述べる、理由を挙げる、まとめる、といった論理の流れを決めておく
  • 指定された語数を必ず守る(公式の評価基準では、B1のタスク1が70語未満、タスク2が90語未満、B2の各タスクが100語未満の場合、該当項目の評価が最低段階になるとされています)
  • 書き終えたら、性数一致、動詞の活用、アクセント記号を見直す時間を残す

作文は自分で採点するのが難しい技能です。可能であれば、試験形式を知っている講師に添削してもらいましょう。

口頭:準備時間の使い方を練習しておく

口頭試験では、B1は15分、B2は20分の準備時間があり、メモを取って試験中に参照できます。この準備時間をどう使うかを事前に練習しておくことが大切です。

  • 文章を丸ごと書かず、話す順番とキーワードだけをメモする
  • 自分の意見と、その理由を2つ程度用意しておく
  • 面接官からの質問を予想し、答えの方向性を考えておく

もう1つ大事なのが、会話であることを意識することです。口頭試験は一方的な発表ではなく、面接官とのやりとりも評価されます。質問をよく聞き、必要なら ¿Podría repetir la pregunta, por favor?(質問をもう一度言っていただけますか)と聞き返すことも、コミュニケーションの一部です。

口頭試験の練習相手としては、DELEの試験形式を知っている講師を選ぶのがおすすめです。オンラインレッスンなら、試験と同じ流れで模擬面接をしてもらえます。講師の探し方はitalkiでのスペイン語講師の選び方で解説しています。

作文・口頭試験の採点で見られる点

ここでは、公式ガイドで公開されている評価基準をもとに、作文と口頭試験で何が見られているかを整理します。

作文の分析的評価:4つの項目

項目見られる点(公式の評価基準の要旨)
ジャンルへの適合(Adecuación al género discursivo)求められた文章の種類(手紙、記事など)の形式や、相手に合った丁寧さ・文体になっているか。指示された内容(書くべきポイント)を扱っているか
一貫性(Coherencia)文章が整理され、接続表現などで文と文が適切につながっているか。段落分けや句読点が適切か
正確さ(Corrección)文法や綴りの誤りがどの程度あり、それが理解を妨げていないか
語彙の幅(Alcance)場面に対応できるだけの語彙・表現があるか

この表から分かるのは、文法の正確さは4項目のうちの1つにすぎないということです。日本語話者は文法の間違いを気にしすぎる傾向がありますが、指示されたポイントをすべて扱っているか、文章の形式が合っているか、といった点も同じように見られています。

特にジャンルへの適合では、公式の評価基準に「指示されたポイントを扱っているか」が含まれています。問題文に「〜について書きなさい」「〜を説明しなさい」と指示がある場合、そのすべてに触れることが評価の前提になります。

口頭試験の分析的評価:4つの項目

項目見られる点(公式の評価基準の要旨)
一貫性(Coherencia)話の流れが整理され、接続表現などで内容がつながっているか
流暢さ(Fluidez)途切れすぎずに話を続けられるか。発音が理解しやすいか
正確さ(Corrección)文法の誤りの量と、それが伝達に与える影響
語彙の幅(Alcance)話題に応じて表現を選べるだけの語彙・文法の幅があるか

口頭試験では、面接官がホリスティック評価(全体的な評価)を、採点官が分析的評価を担当します。全体的な評価では、タスクのコミュニケーション上の目的を果たしているかが中心になります。たとえばB2の評価基準では、意見を述べ、状況を明確に描写し、相手と協力して会話を続けられることが「レベル達成」の目安として示されています。

また、B1の「流暢さ」の評価基準では、話す内容や文法を考えるための間(ま)がはっきりあり、外国語なまりが分かる場合でも、話を続けられて発音が明瞭に理解できれば「レベル達成」の段階に当てはまるとされています。ネイティブのような発音を目指す必要はありません。

採点基準から分かる対策のポイント

  • 完璧な文法より、指示に応えることを優先する:小さな誤りがあっても、伝わっていれば評価はゼロにはなりません。
  • 接続表現を意識的に使う:作文・口頭とも「一貫性」が独立した項目です。primero(まず)、además(さらに)、por eso(だから)などを自然に使えるようにしておきましょう。
  • 黙り込まない:口頭試験の「流暢さ」では、話を続けられるかが見られます。言葉に詰まったら、別の言い方で言い換える練習をしておくと安心です。

模試の回し方:直前3か月のスケジュール例

対策書や模試は、現行の試験形式に対応した版を選んでください。試験形式が変わる前の版では、タスク数や時間が違うことがあります。DELE B1の対策書はAmazonのDELE B1対策書の一覧、B2の対策書はAmazonのDELE B2対策書の一覧から、版と対応形式を確認して選べます。

以下は、試験の3か月前から始める場合のスケジュール例です。

3か月前:現在地を知る

  • 模試を1回分、本番と同じ時間配分で通して解く
  • 4つの試験の点数を出し、2つのグループのどちらが弱いかを確認する
  • 作文と口頭は自分で採点しにくいので、可能なら講師に評価してもらう

最初の模試は、点数が低くても気にする必要はありません。目的は、どこに時間をかけるべきかを知ることです。

2か月前:弱点を集中的に鍛える

  • 弱いグループの技能を中心に、タスク単位で練習する
  • 読解・聴解は、間違えた問題の「なぜ間違えたか」を記録する
  • 作文は週に2〜3本書き、添削を受ける
  • 口頭は、タスクごとに準備時間を計って話す練習をする

1か月前:本番形式で通す

  • 週に1回、模試を本番と同じ順番・時間で通して解く
  • 口頭試験は、講師に面接官役を頼んで模擬面接をする
  • 作文の書き出し・結びの表現、意見を述べる表現を最終確認する

直前1週間:調整する

  • 新しい教材には手を出さず、これまでに解いた模試の復習に集中する
  • 試験会場までの行き方、持ち物、口頭試験の日時を確認する

まとめ

DELE B1・B2の対策のポイントを整理します。

  • 4つの試験は読解+作文と聴解+口頭の2グループに分かれ、それぞれ30点以上で合格
  • 作文・口頭は0〜3の段階で評価され、2がレベル達成に相当する
  • B2はB1より、社会的な話題で論じる力と、多くの情報を処理する力が求められる
  • 作文・口頭は、文法の正確さだけでなく、指示に応えているか、話や文章がつながっているかも見られる
  • 模試は現在地の確認→弱点練習→本番形式の順で回す
  • 受験料と日程は、必ず公式サイトで最新情報を確認する

DELEの対策で独学では補いにくいのが、作文の添削と口頭試験の練習です。まずは模試を1回解いて現在地を確認し、作文と口頭の評価をもらえる講師を探すところから始めましょう。講師選びのコツはitalkiでのスペイン語講師の選び方で詳しく解説しています。

この記事を書いた人:マリアナ

スペイン語・日本語バイリンガル講師

ペルー出身、東京在住26年。日本語話者にスペイン語を、スペイン語話者に日本語を教えています。大学在学中には、ペルーへ留学する学生にスペイン語を指導しました。「教える側」から見た、伸びる人の共通点と遠回りしない学び方を発信しています。

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